パルテノライドはナツシロギクに含まれる重要な有効成分です。
今、その抗がん効果・抗炎症作用が注目され、世界中で研究が行われています。
日本では、大阪大学の研究チームが、パルテノライドのがん転移抑制効果、またリウマチ、関節炎の予防効果を発表しました。これら研究結果は日本がん転移学会や、日本リウマチ学会、世界炎症学会、米国リウマチ学会など国内外問わず、様々な学会で発表されており、その内容は高く評価されています。
マウスを使った実験により、有効成分パルテノライドを含むナツシロギクのエキスを摂取することで、がん転移移植マウスの生存期間が延長すること、またリウマチの抑制効果があることを突き止めました。最近では、日本大学からパルテノライドには、アレルギー疾患(気管支喘息、アトピー性皮膚炎、花粉症)の原因の1つとされるマスト細胞からの炎症性化学伝達物質を放出する反応を抑制する、という論文が発表されています。服用しても副作用が少ないことが知られているパルテノライドは、アレルギー疾患に対しても効果的であることが、日本大学から発表された論文に記載されていました。
また驚くべきことに、がん転移抑制効果、リウマチ、関節炎の抑制効果のモニタリングのために、有効成分パルテノライドを含むナツシロギクのエキスを服用していた方々に、頭髪が増えるという喜ばしい新しい効果が生まれました。パルテノライドが脱毛の進行予防に効果的との内容が、学会で発表されたという記事が、朝日新聞にも掲載されました。
パルテノライドの健康効果については古くから言われていますが、その言い伝えだけでなく、科学的根拠を明らかにしています。国内でも大阪大学医学部や、日本大学医学部など、様々な大学や研究機関で、パルテノライドの作用に関する研究が行われています。また我々も、独自で、様々な研究を行いましたので、その結果の一部をここでご紹介いたします。
大阪大学での研究-パルテノライドの肺転移抑制効果について
日本では、大阪大学の研究チームが、マウス骨肉腫自然肺転移モデルを用いて、パルテノライドの肺転移抑制効果を発表しました。この内容は、2004年にがん転移学会でも発表され、優秀演題賞も受賞しています。
さらに我々は、有効成分パルテノライドを含むナツシロギクから抽出したエキスが、がん細胞移植マウスの生存期間を延長すること、また転移を抑制すること、さらには原発巣の広がりの抑制効果も持つことを、動物実験によって明らかとしました。
日本大学での研究-パルテノライドの抗アレルギー作用について
パルテノライドはNF-κBの阻害剤であることは良く知られていますが、NF-κBを介さない系でもマストセルの作用を抑制する効果があるという論文が、最近発表されました。
「Inhibitory effects of parthenolide on antigen-induced microtubule formation and degranulation in mast cells.」(Int Immunopharmacol.2008 5月発刊号より)
体内のマストセルという細胞が、化学伝達物質を放出すると、アレルギー反応が起こります。この論文にあるとおり、パルテノライドにマストセルの作用を抑制する効果があれば、アトピー性皮膚炎や花粉症などをはじめとする様々なアレルギー反応にも、パルテノライドは効果がある可能性があります。
研究室レポート〜生存期間延長効果と抗がんメカニズム
我々はパルテノライドを含むナツシロギクから抽出したエキスをがん細胞を移植したマウスに経口投与(口から投与)することにより、その効果が発揮されるかを明らかにするため、研究を行いました。
がん細胞を移植したマウスに、パルテノライドを含むナツシロギクから抽出したエキスを与える群、通常のエサだけしか与えない非治療群の2つの群に分け、移植後の変化を観察しました。
その結果、ナツシロギクエキスを投与したマウスは、通常の餌だけのマウスに比べ、有意に生存期間が長くなることがわかりました。
抗がん剤の効果と比較する為に、抗がん剤を投与する群を加え、同様の試験を実施しました。
その結果、ナツシロギクエキス服用群は抗がん剤よりも生存期間が長くなる傾向が確認されました。
さらに、抗がん剤投与群では、薬の注射後に、マウスに副作用(体重減少等)が確認されたのに対し、ナツシロギクエキス服用群にはそのような副作用は認められませんでした。
がん組織で作られる炎症性サイトカインや酸化ストレスはがん細胞内の転写因子NF-κBを活性化します。NF-κBが活性化されるとがんの転移や増殖が進行したり、がん細胞が死ぬことを妨げたりします。ナツシロギクに含まれるパルテノライドには、NF-κBを抑制する作用があります。
これによりがんの悪化を防ぐことができると考えられます。
リウマチのモデルマウスにパルテノライドを含むナツシロギクから抽出したエキスを経口投与(口から投与する)群、通常の餌だけしか与えない非治療群の2つの群に分け、関節炎の進行を観察しました。非治療群では、手足の関節炎がどんどん悪化し、腫れや関節機能の喪失が多く観察されました。
ところが、ナツシロギクエキス服用群では、関節炎の悪化が抑えられ、元気に動きまわる様子が観察されました。関節炎の進行具合を数値化した臨床スコアでは、ナツシロギクエキスが関節炎の悪化を優位に抑制することが確認されました。
また、ナツシロギクエキス投与群と非投与群を比べると、マウスの足関節の腫れも、投与したマウスは腫れが少ないのに比べて、非投与群は、日がたつにつれ、関節が腫れ上がってきます。ナツシロギクエキスの炎症を抑える効果は、リウマチにも効果的です。リウマチに効果的といわれる食べ物はその他、色々とありますが、実際に腫れ具合が抑えられている写真があるのは珍しいのではないでしょうか。
さらにナツシロギクエキスを関節炎モデルのマウスに70日間以上摂取させましたが、その副作用などは一切現れませんでした。副作用がほとんど無く、また点滴や、皮下注射などの投与負担も無く、安全な食品であるナツシロギクエキスの摂取でリウマチ、関節炎の進行抑制に効果的なのです。
この研究結果は、2007年4月、日本リウマチ学会にて学会報告されました。また、同年秋には、『リウマチ研究に関する世界で最も権威ある学会』といわれる米国リウマチ学会でも国際的に発表され、今、パルテノライドの抗リウマチ・抗関節炎効果には、高い注目が集まっています。
今後も我々は、ナツシロギクを用いた研究について、結果が上がり次第、随時アップデートを行っていきたいと考えております。
リウマチモデルマウスへのパルテノライド投与
リウマチモデルのマウスに、パルテノライドを投与し、関節炎の進行状況を研究しました。
正常マウスとは、病気ではない通常のマウスです。関節炎を発症したマウスに対し、治療を施さなかった群(中央:未治療関節炎)、とパルテノライドを投与した群(右端:パルテノライド投与)の2群で比べました。未治療関節炎のマウスは、足関節が大きく腫れ上がり、また炎症をおこしています。それに対し、パルテノライドを投与したマウスは、関節の腫れや炎症が抑えられ、正常マウスとほとんど変わらない状態です。